もし、あなたの家族に「障がい」があるとわかったら、現実を受け入れることができますか。
言葉が話せない。歩くことができない。一人で食事や入浴、排せつができない。
普段当たり前のようにやっている行動ができない。
正直なところ、現実を受け入れることはむずかしいと思います。
私自身も現実を受け入れることができませんでした。

私には、重度の知的障がいと身体障がいがある娘がいます。
娘の障がいに気づいたのは、生後10ヶ月の頃でした。
「寝返りができない」「つかまり立ちができない」「言葉が発せない」同じ年頃の子供と比べても、発達が遅れているのが明確にわかりました。
「そのうちできるようになるだろう」「成長が遅いだけ」と軽く考えていました。
その考えは見事に打ち砕かれ、いくら待っても行動に変化がみられない。
だんだんと焦るようになり、3歳になった頃発達テストを受けました。
そこで娘の「障がい」がわかりました。
「そんなはずがない」「何かの間違い」「そのうち成長する」
その当時の心境はこんな感じでした。
年々身体は大きく成長していくものの、言葉が話せない。歩くことができない。
人と比べては、落ち込むようになりました。
だんだん友達と一緒に遊ばせたくない気持ちが強くなりました。
障がいを隠したいと思っていたからです。
現実を受け入れることができなかったからです。
買い物にいっても、気づけば人目を避けていました。
娘の姿をみられたくない。
必死になって隠そうとしていたのを覚えています。
現実を受け入れられない毎日。
辛くて苦しい絶望の日々が数年間続きました。
その後、あることがきっかけで転機が訪れました。

5歳になる頃、ケースワーカーの人に娘の障がいのことで相談する機会がありました。
そこで、発達が遅れている子供が通える施設を紹介してもらい、利用できるようになりました。
施設の方や親御さんと交流する機会が増え、意見交換したり、悩みや不安を打ち明けることもできました。
その頃から少しずつですが、娘の障がいと向き合えるようになってきました。
それまで、娘のことを「かわいそう」「この先苦労しかない」と思っていました。
でも、現実は違っていました。
娘を見ていると、いつもマイペースで、笑ったり、泣いたり、怒ったり。
友達と楽しく遊んだり、やりたいことをやったり。
私の思いとはまったく違ったものでした。
言葉が話せないからかわいそう、歩くことができないからこの先苦労する。
娘は本当にそうなのか。
その時はじめて気づきました。
私自身が勝手に思っていただけだと。
私の考えが180°変わった瞬間でした。娘の障がいを受け入れられた瞬間でした。
「障がい」があるから不幸だということはありません。
幸か不幸かを決めるのは他人ではなく本人です。
私は、娘の障がいを不幸だと決めつけていました。
それは間違いだったと反省しています。
娘は、友達や先生、ヘルパーをはじめ多くの方に支えられて生きています。
とても幸せな人生を歩んでいます。

そしてなにより親である私が、娘に寄り添って、これからの人生を娘とともに歩んでいきたいと思っています。
人生、生きていればいろんな試練があります。
思い悩み、辛くて苦しい時期も当然あります。
時間はかかりましたが、振り返ってみても、貴重な経験ができたと思っています。
娘の「障がい」に出会えて、本当によかった。
私の経験が少しでも参考になれば幸いです。ぜひ最後まで読んでみてください。
現実を受け入れられないのは当然!
話すこと。歩くこと。特に難しいことではなく、普通にできること。
それができない。
私たちは、普段何も考えずにしていることが「当たり前」だと思っています。
それが「当たり前」でなくなったらどうですか?
「そんなことはない」「まさか自分が、うちの子が」「何かのまちがい」
現実から目を背けたくなるのは、当然のことです。
現実を受けられない日々、どうしたらいいかわからない毎日。
現実を受け入れるのは、簡単なことではありません。
私が娘の障がいと出会って学んだ一番大切なことがあります。
すべては幸せになるためのものだということです。

不幸だと思うのは、自分が勝手に思ってるだけです。
それを決めるのは、他人ではなく本人です。
一つ行動すれば、周りに多くの支えがあることに気づきます。
人の優しさがわかります。
辛いという字に一を加えると幸せになります。
つまり、辛い状況にあるのは、幸せになるためにあるものだいうことです。
たとえ、すぐに現実を受け入れられなくても、必ず道はひらけます。
時間はかかると思いますが、絶対に大丈夫です。
ただそばにいてくれるだけで幸せ!
私が大切にしている言葉があります。それは「オンリーワン」です。
たった一人のという意味ですが、存在自体が素晴らしいということです。
娘の障がいに出会えたことで、人の生きる意味を学ぶことができました。
娘がいてくれるだけで、家族や友達、先生、娘の周りのみんなが笑顔になります。

人の支えがないと生きていけない娘が、なぜそんなことができるのでしょうか。
それがまさに「オンリーワン」です。
ただそばにいてくれるだけで、みんなを笑顔にしてくれる。
ただそばにいてくれるだけで、周りが明るくなる。
つまり、娘の存在自体が素晴らしいということです。
そんな娘に出会えて本当に幸せです。
まとめ
考え方が180°変わった娘の「障がい」との出会いについて紹介しました。
障がいを受け入れることは、簡単ではありません。
ただ、娘の障がいと出会えたことで、生きる意味を学ぶことができました。
多くの人に支えてもらって生きているということ。
ただそばにいてくれるだけで幸せだということ。
人生辛く苦しいときもありますが、乗り越えられない試練はやってきません。
すべては幸せになるためのものです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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